本(紙)と電子書籍

図書館で借りた本を読みました。

       ※霧笛荘夜話(浅田次郎著)
古びたアパートの住人をオムニバス形式で紡ぐ物語ですが、みな切なく悲哀漂って読み終えた後はどよーんとしてしまいました。浅田次郎さんの著作は壬生義士伝とか沙高楼綺譚とか、こういうのが多いです。
(でもキライじゃない)
住人同士が話の前後で微妙に絡んでいるので、ページを行きつ戻りつ。キーワードも目的も曖昧なランダムアクセスには紙媒体が優れていますね。
ページ数の厚みから話の進み具合に目処をつけ、そろそろクライマックスだとかオチに入ったなとか心積もりをしながら話を”感じ取る”のです。
電子書籍が声高に叫ばれているけど、iPadで読むと文字を”読み取る”行為になるので、どうしても読書のスピードが遅くなります。
雑誌だとか情報誌であれば電子書籍のメリットが十分に活きます。大量になっても”保管”には便利だし。ただし記録媒体の劣化やフォーマットの変遷の問題があるので、”保存”には紙に印刷するのが一番確かなんだとか。
それぞれの長所を理解して活用するのが良いのでしょうね。

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