その昔まだ駆け出しのエンジニアだったころ、熱(いわゆる工業熱力学)の分野は大の苦手でした。なぜかと言うと、
①目に見えない
②計算どおりに行かない
機械フェチで入った道ですから、エンジンとかロボットとか、がっちゃんがっちゃん動くものが好きだったわけです。
※その昔、某電機メーカーさんと共同開発していた足関節リハビリ機器
それに比べて熱の問題は一筋縄ではいかず(まあ、これはどの分野でも言えることですが)、動きが無いものですからモチベーションがイマヒトツ沸かない。
だけどほとんど全てと言って良いくらい機械には大なり小なり熱の問題がついて回るわけで、新卒で入った会社員時代からいつも何がしかの熱対策に関わっていました。変わったところでは砲身の熱解析、なんてのも。
気づかないうちに無数の事例を経験し、そのうち熱がメインの機械を設計するようになってきました。えいやっ!の勘で見繕った答えが、時としてコンピュータでのシミュレーションより正確だったりします。
今でも動く機械が好きです。でも商売は好き云々よりも向いているもののほうが成り立つようにも思えるのです。