3月の再生医療学会でお披露目予定だった3次元細胞潅流培養システム「PASCL」、企業展示が中止になったので日程をリスケしつつも形になってきました。10列×2系統の超小型電磁弁が配置されたマニホールドの設置方法を試行錯誤していましたが、縦127mm横85mmの筐体の左右に鶴翼のごとく収めることにしました。
肝となるチップは10×10列のウェルでスフェロイド(細胞の塊)を個別に育てます。スパゲティのように繋がったチューブで任意のウェルを空気圧で浮かび上がらせ、個別に培地を流すことで、まるで美味しそうな果実だけ収穫するかの如く最良に育ったスフェロイドを狙って回収します。筐体は一般的な顕微鏡のステージホルダに嵌るサイズなので、リアルタイムで観察しながら作業できるのが大きな特長です。
従来品ではスフェロイド回収にマイクロピペットで吸い取っていましたが装置が大型になってしまいます。そこで東京大学の先生の発明を元に、ブラスト社で小型パッケージに仕立てて共同で実用化を目指しています。スフェロイドをさらに大きな塊にしてミニ臓器の元となるオルガノイドの形成に役立てることを目指しています。
今日は在宅ワーク。ブラスト社は工場を持たないファブレスメーカー、設計や管理もクラウドに繋げてのPC業務なので、移行しやすいのです。しかし現物合わせの試作はそうもいかないので集中的に作業しています。