早くも神無月。まだまだ気温が下がらないとはいえ、突き刺すような日差しではなくなりました。水風呂に飛び込みたい衝動も湧きません。一方で湧き出すのがガラスヒーターを結露防止や曇り止めに使えないかという引き合いです。
技術的には十分可能です。蒸着炉の除き窓に嵌めて化学成分が付着しないよう100℃以上に加熱するニーズは定期的に寄せられます。変わり種として、北陸新幹線の試験車両でパンタグラフ監視カメラの防曇にも使われたことがありました。寒い中を時速200kmで走っても発熱する高い能力です。
しかし屋外にある防犯カメラの曇り止めには向きません。なぜなら価格が”桁”で合わないからです。性能的には大まかに暖まって結露しなければ良いだけのもので、数は捌けます。そのかわり安くしなければなりませんし、在庫や歩留まりといった生産コストも上がって薄利多売になりがち。
用途によって最適バランスの中で優先されるものが変わるのは世の習い。ブラスト社のガラスヒーターの用途は理化学用の精密温調や産業用の高W密度に合わせ、付加価値を高めています。それを求められる用途においてはむしろ安い(早い、旨い)と評価されます。