ブラストの顕微鏡インキュベータはヒーターとターゲット(庫内雰囲気≒細胞)の温度をダブルでフィードバック制御して、状況に合わせて制御対象を切り替える自律温調機能を備えています。寒いときはヒーター優位でフルパワー発熱するのですが、実験条件が多様化して室温を想定以下に下げることもあるので補助ヒーターを誂えました。安くて簡便なだけど温度ムラができやすいし見栄えは今ヒトツ。
そこで以前から要望があった顕微鏡のレンズヒーターに着手しました。他社製である顕微鏡に装着するのはブラスト設計ポリシー”自己完結”に沿わないので見送っていましたが、最近はニーズが多く寄せられるのでシリコンラバーヒーターでサクッと試作してみました。
対物レンズにベルトで巻き付けてレンズから熱が逃げるのを防ぎ、ヒーター能力を補完します。実験では塩梅が良かったのでカッコよくリング状の筐体に据えてガラスヒーターと連動させて、、、と考えていたら、ユーザーの研究者の一人から”このままで良いから2~3千円くらいで売ってほしい”とお願いされました。そんなご無体な。。。原価割ってますやん。。。
でも言わんとするところはわかります。確かに積極的に加温せずとも冷たくなければOKなわけで、無駄に高性能にしないで安くして、と。ネット通販では一眼レフの望遠レンズ用ヒーターが数千円で売られていて、ニクロム線を布に仕込んでレンズに巻き付けるだけですからね。設計の仕方は参考にさせてもらいます。