真!低酸素インキュベータ

鳴り物入りでお披露目した超小型で窒素ガス不要の低酸素インキュベータ、かなりのインパクトを巻き散らしました。一方で大きいサイズを求める声が非常に多い。現行仕様は35mm直径のディッシュ培養容器が2~3個入りますが、培養で最も多く使われる87mm×127mmのウェルプレート容器を使いたいというもの。

いやね、わかってはいたのですけど技術的に難しいのです。リークしない閉鎖型の高密閉度と開閉のしやすさを顕微鏡ステージ用サイズへ盛り込むのは至難の業。しかししかし、蓄積された非常に多くのカスタム設計のアレとコレとソレを合わせれば、、、いけるかもしんない。ヒラメイタ!ということでバタバタ設計して製作してあっという間に試作1号を作ってしまいました。

右がディッシュ容器サイズ、左がウェルプレートの入る新チャンバー

さっそく動かしてみると、酸素濃度は1.5%までしか下がりません。目標は最低0.5%理想0.1%だからちょっとこれでは。でも改良点が見つかったので早速トライします。研究者の方々曰く、この装置でウェルプレートが使えたら業界はドエライことになるとのこと(ホントかよ笑)。期待に応えるべく3月を目標に取り組みます。

ブラスト社のモノづくりは多くの種類を直ぐ作ってしまうことで定評ですが、不屈の精神なんて高尚なものじゃなく単に”忘れない”だけです。頭の片隅で情報が断片的に蓄積され、あるときカギとなる一辺が嵌った時、一気に構造が目の前に広がります。思い立ったらその日が吉日、設計はそれをデータにするだけ。稟議も会議も無い。年明けコロナ明けに備えて力を蓄えます。

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