ハイパーサーミア

とある自主開発プロジェクトを起業してからずっと継続進行中です。その名も「ハイパーサーミア」。
ハイパーサーミアとは、体温を上げて癌を治療する医療システムです。癌は熱に弱いので、外から熱を加えて参らせちゃおうというスンポーです。
でっかい薬のカプセルみたいなボディに人が入ってて、中に組み込まれたヒーターで加温します。
ヒーターの温度やサイクルは、心電計とデータリンクした制御システムでコントロールします。
じゃあ温泉やサウナでもいいんじゃないの?!と思うでしょ。
えっとですね、ニンゲンは恒温動物なので、単に暖めただけじゃ汗かいたりして熱を逃がして、中枢深部の温度を常に一定にしてしまうのです。皮膚表面の温度はすぐ上がるのですけどね。
風邪引いて38度5分なんて発熱したらどんな状態か、想像してみてください。それをハイパーサーミアでは中枢深部を42度近くまで上げます。まあ、自己発熱と外からの加温じゃ全く同じ状況じゃないけど、カラダにしてみたら、いざ勝負!みたいな感じです。なので、これは麻酔をかけてICU並みの全身管理の下、専門の医師が使う医療機器です。
ちなみに、中枢深部の温度を正確に計る場所は直腸。そう、お尻の穴に医療用センサをずずいっ、と差し込みます。これが結構クセに・・・・(ならないならない)。
こういったものを開発していく中でヒーターや制御のノウハウが蓄積されていった訳です。それを活かして今は産業分野で商売させてもらっています。
システムそのものは出来上がってきて、これから一番大変な治験です。ビジネスと言うより、もはやライフワークですね。

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