その昔、ブラスト社の顕微鏡インキュベータの研究者ユーザーから培養チャンバーを振盪装置に載せたいという依頼がありました。細胞を揺らしながら培養すると早く育つ、らしい。大概の研究室に備わっている冷蔵庫サイズの汎用インキュベータへ振盪器入れても良いけど、防湿された振盪器は結構デカいし意外に高価。
それで、ブラスト社の顕微鏡インキュベータを振盪器に固定する治具を作りました。プラスチックで型枠作るだけなので安価で簡単。そのせいか他にも複数ご注文いただきました。そこで、顕微鏡インキュベータを動かすのではなく、中で動く専用ユニットを作ればいいのでは?と、ふと思い立ちました。ええ、早速作ってみました。技術者=決済者であるブラスト社のモノづくりは恐ろしく速いのです(会議と稟議が無いから)。
うーん、ちょっと動作の音がやかましいし、ときおり脱調する、けど、最初はまあこんなものです。やっつけで作った割にはナカナカのもの。縦横寸法はウェルプレートと同じ85mm×127mmなので顕微鏡インキュベータの培養チャンバーにすっぽり嵌って非常にコンパクト。
ぶっちゃけ、あまり儲からなさそうです(オイッ)。ただ、顕微鏡インキュベータ自体は動きが無いので展示会に出しても地味だし、キーデバイスのガラスヒーターはそもそも透明がウリなので見づらい。でもこうやって何か動くものがあると”映え”ますね。”何だコレ?!”と気づいて立ち寄るきっかけになればそれだけでも十分。ということで今月出展する癌学会にて展示しまっす。