かねての懸案である細胞培養での培地(培養液)をポンプで一括交換できないか、というテーマにつきまして、コツコツやっております。排液の吸引は力業で吸えば問題ないのですが、新しい液を送る側は6ウェルすなわち6か所に対して同じ量を送るべく、普通は6系統の吐出ヘッドを設けます。これがコストもパーツも嵩張る原因でした。
そこでベルヌーイの定理により本流と支流の配管径に勾配を設けて管路抵抗の圧損差で堰の代替として、、、ああっメンドクサッ!ということでサクッと作ってみました。どうせ計算通りにゃいかねんだし。
最初はバラッバラに出ていた水もパーツを組み変えて色々やってみると、うん何だか上手く行きそうな気がする。支流は圧損が大きいので真ん中の本流にいったん溜まり、設定圧を超過したところで一斉に支流から流れ出ます。これなら超シンプル&激安お値段にできそう。ただし本流が太くて支流も長いので顕微鏡インキュベータの狭い空間に入らない。支流との圧損差も小さいと流量がバラつくけど大きいとポンプ揚程が足りなくなる。改良の余地がまだまだあります。
何はともあれ可能性が見えてきたので頑張って続けて、完成したら低酸素インキュベータに組み込みます。今まで培地交換のたびに蓋開けて通常大気に戻っていたのでハイポキシア(低酸素)環境の連続性に疑問を残していましたが、これで完全シームレスでのハイポキシア培養&ライブセル観察が可能になります。
っと、その前に水浸しになった机を掃除しなきゃ。