低酸素インキュベータを3台製作して、条件をそれぞれ変えて連続技術試験を実施中です。
手前の坊主頭はネットカメラ。これでいつでも状況をチェックできます。
1台目は設計どおりの性能を出しています。工業製品として理想の出来栄えです。
2台目は性能を出し切れていません。でも原因や箇所が分かれば量産での注意点に活かせます。
3台目は性能が良すぎて設計を遥かに超えた能力を発揮しています。実はこれ、非常に厄介なんです。どんなに優れていても反復して作れなければ工業製品として成り立ちません。かと言って良い結果が出てるだけに無視するのも忍びなく。いっそダメダメな出来栄えのほうが割り切れるので扱いは楽なのですけど。
性能が良すぎるものを出すと、万一2台目を購入された場合に正規の性能なのに不良品扱いされかねない恐れがあります。なのでプレミア価値をつけるどころか市場へは元よりデモ機にすら出せず、何かの社内試験用に消耗するのが精いっぱい。出来が良すぎたばかりに、不憫な奴だ。
某漫画でワン・オブ・サウザンドという銃が出てきます。熟練職人でも生み出せないほど超高精度な銃が、汎用量産品ながら1000丁に1丁の割合で生まれるというもの。各部品が持つ性能・寸法の公差が絶妙に小さいほうへ収まった結果で、構成点数の少ない機械モノでは稀に起こります。レベルは違えど似たようなことが起こっているのかもしれません(てか、まだ数台の製作なんですけどね)。
何はともあれ明日からパシフィコ横浜でのバイオジャパンです。JASISの時みたくデバイスをメインでTASCLとNICO-1をオプションとして展示します。3日間の通しで神奈川パビリオンに立ってますのでご来場になられた際はぜひお立ち寄りください。