取引先の矜持

東北には取引先が結構多い。住所リストを見ると、津波があったはずの地域もある。「大丈夫ですか?」などと無頓着に連絡できるわけもなく、ただ無事を祈る。
昨日、とある取引先から電話が入った。被害は少なくなかったらしく、復旧に全力を挙げているとのこと。
担当者が疲れきった声を絞り出すように
「迷惑かけないように頑張りますから」
迷惑かけていいから!いや、迷惑じゃないから!色々声を掛けてあげたいけど言葉が出ない。
「頑張ってください」と月並みなことを言うのがやっとだった。真に頑張っている人には本当は言っちゃいけない言葉だけど、それでも言うしかなかった。
折り返し電話すると、”被災のため伝言板へ、、、”と応答メッセージが流れる。この人の家族は無事だったんだろうか。身の回りのことで精いっぱいのはずなのに。
思いをやると、胸がいっぱいになる。
計画停電の影響はある。流通も滞りがちで買い占めたくなる気持ちもわかる。でも被災地域が日常の流れを取り戻そうと必死になっているのに、首都圏がパニクっててどうする。
直接的には被災支援にならなくても、出来る範囲で自分の仕事を整斉と進めることが、巡り巡って結果的に役立つはず。
打合せ、イベント、納入立会いなど今週の予定はすべてキャンセルになってしまっていた。なんとなく伸ばしていた商品のパッケージ作り、今はこれに精を出そう。

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