扉を開けて

低酸素インキュベータはネジで開け閉めするのでデザイン性がイマヒトツでしたが、機械電気の販売サイトで良さげなものを見つけました。

早速ポチっと買ってみました。親指と人差し指で簡単に開けられ、Oリングで密閉できるのですが、微妙にサイズが合いません。惜しい。でもこの機構は参考にします。
しかし、とんでもないことが起こってしまいました。デモ動作中にチャンバー天面のガラスがパーンッと弾けるように割れてしまったのです。相当に試験を繰り返してきたけどこんな割れ方は初めてです。
どうやらチューブが絡んで内圧が急激に高まったことが原因のようです。そりゃ整備された試験環境ならともかく、実使用環境では十分起こりえること。あー、なんで気付かなかったんだろう。いや、気付いてはいたけど、脳みそが重要度をリアルに感じ取っていませんでした。
持ち込み先の先生から”使用前に早めに分かって良かったじゃないですか”と神のお言葉をいただいたのが救い。翌日、壊れたチャンバーを分解してみて結構いや相当凹みましたが、下向いてばかりもいられないので改良作業です。
最初の頃の試作では内部ガスがスカスカに漏れるので、密閉性を高めることばかり執心して、パージ機能はおざなりにしていました。そこでリリーフ用に電磁弁をもう一つ加えることにしました。ガス濃度が濃くなり過ぎた際に早く薄める大気注入弁にも使えます。それと、万一に備えて透明ポリカーボネートで天面をカバーします。これで割れても飛び散らない。
早速部材を手配して、届いたら組み立てて試験することにします。当面は販売デモ見合わせですが、文字通り新生品に新しく生まれ変わるでしょう。
重大な不具合はいきなり起こったように見えて、実はそのずっと前から序曲が奏でられているもの。その悪魔の音色を聞き分ける力をもっと磨かねばなりません。まだまだ精進が足りませんな。

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