顕微鏡に設置して細胞培養しながら観察できる「顕微鏡インキュベータ」では庫内のCO2濃度も一緒に調整します。大抵の研究室には大型の炭酸ガスボンベがあるので、そこから引いたガスをCO2コントローラ内部で濃度調整して細胞培養チャンバーに送り込みます。
しかしボンベと顕微鏡が離れていたり新設の研究室だったら長ーいチューブで引っ張ってくるのも大変なので、小型のCO2カートリッジを用意しています。
※500mmペットボトルよりチョイ小さめ。
このカートリッジは手軽で便利な半面、1本で15時間くらいしか持たないので、何日にもわたって細胞培養するには朝晩交換しなければなりません。手間だしランニングコストが高すぎるので、展示会とかデモとか自社用にしか使っていませんでした。そこで持続時間を長くするよう色々と改良していました。
なかなか上手くいかなかったのですが、コントローラ内部の配管をちょっと変えただけで劇的に向上することがわかりました。
以前は1本で15時間程度しか持たなかったのが、改良後はなんと2日以上持ちます。
たぶん今まではカートリッジ内部のガスを強制的に排出させてしまう圧力差ができていたのでしょう。それが解消されたことで、ゆっくり少しづつガスが出るようになったようです。正解はすぐ近くにあるのに気付かないままって良くありますが、それを気付けるようになるのもまた経験です。