透明のまま500℃まで発熱する「透明ガラスヒーター」
【ガラスヒーターとは】
・透明導電膜を石英ガラスに蒸着させ、通電すると最大500℃まで発熱します。
・透明、耐食性、難歪性といったガラスの特性そのままに、高い熱量を得られます。

・写真はS101のガラスヒーター(105mm×100mm-2t)のサーモグラフです
・面内の温度分布は200℃に加温した時で±10℃以下です。
※温度が低くなるほど温度分布の幅は小さくなります。
ガラスヒーターの技術
【構造】
・石英ガラス(
1)に透明導電膜(
2)を高温で蒸着します。
・透明導電膜の両端に電極として銀ペーストを設けます。
・目的に応じて、蒸着面にガラスカバー(
3)を施します。
注(1) 超低熱膨張ガラスで急激な温度変化に耐えます
(2) 酸化インジウム(ITO)を主としたレアメタル
(3) 蒸着していない石英ガラスを組合わせます
【原理】
・電極に通電すると透明導電膜にてジュール熱が発生します。
・ガラスごと熱せられ、遠赤外線がガラス面から輻射します。
・直接接触による熱伝達または非接触の輻射によって対象物を加温します。
【特長】
・最大500℃まで素早く上昇します。急激に加温したり冷却しても割れません。
・高温でも透明度は変わらないまま、対象物を観察しながら加温できます。
・半永久的に使用できます(4年間300℃で継続使用しても抵抗値の劣化はゼロ)
【量産対応】
スケールメリットを活かしやすく、量産コストを抑えられます。
・寸法:最小10mm×10mm〜最大400mm×380mm(パネル形状)
外径φ10×長さ50mm〜外径φ70×長さ320mm(チューブ形状)
・定格:AC100〜200V、DC5〜24V(要求加温能力による)
・基材:石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス
※寸法形状毎に最低ロット数の設定があります。型費などイニシャル費用は別途申し受けます。
※基材の持ち込みによる受託製作は品質保証の観点からお受け致しかねます。
【多彩な応用例】
・観察しながら加温したい化学分析、細胞培養実験用に
・監視カメラや装置覗き窓の結露防止用ヒートガラスに
・加熱設備の熱源に(ベッセル、中空管など)
・マスキングによるエリア別加温、湾曲形状、マイクロ流路への蒸着など様々なガラスヒーターが実現できます。
・500℃に加温しても金属成分が一切析出しないので、金属コンタミを嫌う微量元素計測にも適しています。
・標準ユニットを利用した曇り止めヒートガラスに適用できます。


加温データ
【パネル形状】
・BH080(40mm×100mm)は加温開始後60秒で400℃まで上昇します。
・使用したい目標温度が低ければ、余力を持った運転が可能です。
【チューブ形状】
・透明導電膜を石英管の外表面に蒸着
・下記の定格:AC100V160W
・加温開始から2分後、内表面は400℃近くへ到達

【特殊形状】
・定格:DC12V5W
・加温開始から2分後、内表面は60℃へ到達
▲石英ブロックを部品形状に切削加工して、外表面に透明導電膜を蒸着します。
▲部品そのものをヒーターにして温度管理を簡易化、組立工数を削減できます。