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加温・熱制御のスペシャリスト

スリープデザインSleep Design

熱と眠りを科学する

【睡眠誘導加温】

 TPM加温制御を用いて、比較的穏やかな加温フェーズで人体を加温したとき、深部体温(直腸温度)は逆に低下し、被験者が軽眠傾向に陥ることがあります。加温によって人体の総合的な熱量としては増加するが、抹消血管が拡張することによって中心部の熱が拡散し、一時的に深部温度(直腸温度)は低下している状態です。すなわち、加温熱源から皮膚への吸熱より、抹消血流の拡張による放熱が勝っている状態であり、このときの体温は均一な状態に近くなり、血管運動が弛緩してリラックスした状態が誘導されると考えられます。
 これら加温プログラムを最適化したシステムにより、不眠の改善に役立つ睡眠モード加温を開発しています。睡眠に入るときは深部体温が低下していくことが知られています。体温が均一になって血管運動も弛緩し、リラックスした状態になって睡眠が誘発されやすくなります。

睡眠誘導における深部体温

【眠りの森コンソーシアム】

 平成17年度「眠りの森」事業に参画し、ホテルにて睡眠検査を受ける「睡眠ホテルドッグ」を企画推進しました。眠りの森事業とは、滋賀医大を中心とした産学連携により、医学的なエビデンスに基づいて快適な睡眠を提供する、経済産業省の委託事業です。

体温の不思議サイエンス

【体温調節の仕組み】

 人体には恒常性維持機能(ホメオスタシス)があり、自律的に体温を調節しています。主に血流、発汗、呼吸などによって体温を調節していますが、一番のメカニズムは血管拡張・収縮に伴う血流の変化によるものです。たとえば周囲が寒いときは表面の毛細血管が縮小すると同時に動静脈が短絡し、毛細血管の血流を低下させて、体表面からの放熱を最小限にとどめることで、体内中心部に熱を閉じ込めておきます。周囲が暑くなってくると毛細血管が拡張して体表への血流が増加し、皮膚からの放熱を促して中枢深部の温度を低下させます。このとき熱が体内に拡散して、一時的に中枢温度が低下することもあります。このように血管運動によって血流を変化させ、放熱・吸熱をコントロールすることで、体の中枢深部の温度を一定に調節しています。なお、体内の熱伝導率は最大で数倍の差が生じます。 血管運動による体内の伝熱変化      

【人体への加温における伝熱形態】

 赤外線による人体の加温は、まず体表の毛細血管に吸熱され、血流に乗って全身に熱が運ばれます。いわば体表血流加温といえます。赤外線の中でも1nm以下の波長の短い近赤外線は、エネルギが強いために皮下数mmの脂肪層まで熱が浸透しますが、皮下火傷のリスクが増します。ハイパーサーミアで使用するヒーターは、皮下0.5mm程度で吸熱されるよう、6〜10μmの波長を中心に輻射しています。輻射加温がもたらす人体の中枢深部への伝熱