従来から癌は熱に弱いことが知られており、熱で癌を治療するハイパーサーミアが試みられてきました。近年は高体温における血管内皮増殖因子やコラーゲン分解酵素等の反応など生化学的な研究が進み、免疫を亢進させるHSP(ヒートショックプロテイン)の増強効果についても注目されています。癌だけでなく、リウマチなどの慢性炎症やウィルス性疾患、糖尿病等の治療にも期待が高まっています。
![]() |
![]() |
8〜10μmを中心とした赤外線領域の波長を上下から輻射する全方位輻射加温によって、生体への負荷をより低減させています。さらに、上蓋が全て下面に収納されることで、ラインの取り回しや治療動作を阻害することがなく、医療スタッフの動線を確保することが可能になりました。外から容易に内部を確認でき、加温中のアクセスも容易です。 | 熱量を最適調節するTPM加温制御により、生体生理に即した体温上昇が可能になりました。熱量を任意の周期で変化させて波のように熱を加えることで、皮膚の過熱を抑えつつ深部へ熱を伝え、中枢体温を上昇させます。また心電計の生体情報とデータリンクした安全フィードバック制御により、安全かつ簡便に加温します。 |
人体には体温を自律的に維持する機能があるので、中枢深部まで安全に体温上昇させることは容易ではありません。従来の全身加温装置は熱源の温度を調節するのみで、医師は経験によって熱量を調節しながら体温上昇を管理します。実際の治療では麻酔を用いて体温調節機能を抑えていますが、麻酔下の高体温管理には熟練した医療技術が必要です。
一方、共同研究先のハイパーサーミア専門医療機関では過去10年にわたって数千回の施術例を有し、豊富な臨床実績と高体温管理の技術を有しています。そこで弊社では専門医の指導と監修の元、高体温管理をより安全かつ定量的に加温できるTPM制御システム(以下詳細)を開発しました。ブラスト社はハイパーサーミアシステムの普及を目指し、臨床システムの開発と様々な治療への応用を進めて参ります。
TPM(Thermal Phase Modulation)制御とは 全身ハイパーサーミア専門医療機関の発案の元、ブラスト社と共同開発された高体温制御技術です。熱エネルギを波のように変化させて、皮膚表面に吸収された熱を効率よく体内深部へ伝達させています。皮膚温度や心拍数の上昇を抑えつつ、中枢深部の体温を上昇させることが可能です。